SUNSET LIVE 30th Final 9/7(土)・8(日)
糸島の夏といったら、サンセットライブ
『SUNSET LIVE』は、糸島市の芥屋海水浴場で夏に開催される大規模な音楽フェスティバル。ライブが行われる期間中(2日間)、福岡県内外から総勢1万5千人以上が訪れ、糸島の海に、音楽に、人に、酔いしれる。そんなSUNSET LIVEは、今年で30回目という節目とともに、Finalを迎えることになりました。
SUNSET LIVEの生みの親は、桜井二見ヶ浦近くにある海が見える人気カフェ『Beach Café SUNSET』。1990年生まれのこの1軒のカフェの存在が、糸島に新たな価値や文化を生み出すことになるなんて、当時、誰が想像できたでしょうか。
「初めに、Beach Café SUNSETをつくった場所は、今の場所から50mほど離れた場所。当時、海沿いには民家や建物はなく、あるのは松林とところどころにある畑だけでした。僕の夢は、海が見えてすぐ海に行ける場所にお店をつくること。福岡の中でも有数のサーフポイントである二見ヶ浦で、その夢を実現したのです」と話すのは、Beach Café SUNSETを立ち上げた林憲治さん。
林さんは、海をこよなく愛するサーファー。ご両親が糸島出身で3歳まで今宿(糸島市内から車で約20分のところ)で暮らし、関東、関西、東北と移り住み、20歳で再び糸島へ。1990年、林さんが29歳のときにBeach Café SUNSETを立ち上げました。
「お店をはじめたころは、夏のいい季節しか人が来ませんでした。それも一瞬だけ。もともと何かがある場所ではないし、地元の人も用がないから来ない。しかし、次第に、ここを心地よく思うお客さんが少しずつ来はじめて。でも、それくらいが逆に良かった。朝はサーフィンに行く時間の余裕がありましたし、お客さんにお店を頼んで海へ行くこともありました。いい意味でお店らしくなかったかもしれませんね。山に山の家があるように、海には海が好きな人が集まる海の家があってもいい。もともと、そういうつもりでお店を作りましたから」
今でこそ、桜井二見ヶ浦は糸島を象徴するような人気の観光スポットになり、海沿いをドライブしておしゃれなカフェでランチやスイーツを食べるというのが糸島の定番ドライブコースになっています。しかし、それはここ10年から15年ぐらいの話。30年ほど前は、桜井二見ヶ浦というより糸島は、今のように多くの人たちが訪れる場所ではありませんでした。
かすかな記憶をめぐってみると(といっても30年前は福岡に住んでいなかったので、25年ほど前)、海沿いにポツンとあるBeach Café SUNSETは、サーファーというか時間を自由に使うことができる人たちというか、住む世界が異なる大人たちが集まっているイメージで、お店に入るのにちょっぴり勇気がいるような、そんなおぼろげな記憶があります。
さて、本題のSUNSET LIVEは、創業から3年後の1993年、海と同じぐらい音楽を愛する林さん考案のもと、お店の前で初開催されます。
「海辺でお店をさせていただいていたので、おかげさまでいろいろなことを感じることができました。季節によっては気持ちが沈んだ人が来ることもあります。そういう人たちが自然と癒されていく、それはまさに海の力。海に多くの人たちが訪れると砂浜にゴミが増え、海から砂浜にゴミが流れ込んでくることもありました。一見きれいに見える海ですが、人の行動ひとつで状況は変わっていく。SUNSET LIVEは、当初、海のお祭りに音楽があるイメージ。ずっと音楽が好きだったので、音楽を通してみんなで楽しんで、海をもっと身近なものに感じられたら、海への意識が生まれる。そんな想いではじめました」
当時、フェスのようなものを海辺でやるのは、全国的にも稀なこと。SUNSET LIVEを通じて、林さんが行った海へ意識を向けるための小さな種まきは、糸島にとどまらず、全国的に知られるような大きなうねりを生み出しました。
「SUNSET LIVEはどんどん大きく広がって。今回、30回目を最後の区切りにしたのは、今まである程度やってきたという想いがありますし、時代が変わりつつあるのを感じるから。何かが終わらないと何か新しいものは生まれません。名残惜しさはなく、逆に最後は思いっきり楽しみたいと思っています」
林さんと話をしていると、海や自然に対して愛とか尊敬という言葉では飽き足らず、畏敬の念のようなものが感じられます。その想いはとてつもなく純度が高い。だからこそ、糸島に明るい海のイメージを定着させ、SUNSET LIVEというかフェスという文化、そして、糸島の海沿いをドライブしてオシャレなカフェをめぐるという新たな価値観を生み出した。そんな気がしてなりません。
「海は、自分の魂があらわれるところ。糸島の海と山が今の自分をつくったようなものです。SUNSET LIVEにも本当に育ててもらいました。SUNSET LIVEというひとつの形が終わっても魂は残りますから。人と自然の共生ができる世の中になれば。そういうことが皆さんに伝わっていたらいいな」と話す林さんの言葉を聞いて、ますます糸島が、そして、ここに暮らす人たちが愛おしく思えてきました。
「もっと夢と希望が持てるような世界になればいいなと思います。ひとりひとりにその力があるのに、それが見えなくなっているのかもしれませんね。自分は好きなことをしながら生きることができて本当に幸せ。たくさんの人に、こういう感覚、好きなことをして生きていけるということを体感してほしいですね」
SUNSET LIVE 30th Final、ぜひお楽しみください。糸島を、自然を、人を、めいいっぱい感じてください。そして、いつでも、また糸島に来てください!
林憲治さん
1961年生まれ。株式会社ALOHAPLAN/SUNSET風土COMPANY合同会社・代表
SUNSET LIVE 30th Final、詳細はこちらから。
基本情報
- 開催場所
- 芥屋海水浴 Google Map
- 開催日時
- 2024年9月7日(土)・8日(日)